非特異的腰痛は、画像所見のみでは明らかな原因は分かりません。
脊柱や周囲の軟部組織に過度な負荷がかかった結果として生じる障害です。
そのため、非特異的腰痛症では、まず病態をしっかり捉えられることが重要です
その中でも問診は非常に重要性、腰椎にどのようなストレスが加わったのか、日常的にどのようなストレスが加わっているか、長時間の立位、座位、反復してかがむことが多い、デスクワーク、立ち仕事、久しぶりに重いものを運んだ、普段あまりしない無理な体勢をしたなど
このようなキーワードからさらに深く問診し、病態を把握することは非常に重要です。
○姿勢からマッスルバランスを予測する
マッスルバランスは動筋—拮抗筋または協同筋のくみあわせである。動筋の過緊張は相反抑制により拮抗筋の活動を抑制し弱化させる。同じ姿勢や動作を繰り返す生活習慣はマッスルインバランスを起こし、それが持続することにより特定の筋の短縮や運動パターンの異常が生じる
○マッスルインバランスの評価
姿勢評価、ファンクショナルテスト、筋の長さテスト、過緊張筋の触診や圧痛の有無など
○体幹のインナーマッスルの弱化
(腹横筋、多裂筋、横隔膜、骨盤底筋)
・腹横筋が弱化していると、肋骨の浮き上がり(特に下部肋骨、バケツハンドルモーションの破綻、胸式呼吸優位になりやすい)、骨盤後傾のコントロールが困難、腰椎が前弯しやすい
・多裂筋が弱化していると骨盤の前、後傾が困難、腰椎のコントロールができない
○腰椎・胸椎の可動範囲
屈曲:腰椎50° 胸椎35°
伸展:腰椎15° 胸椎25°
回旋:腰椎5° 胸椎40°
側屈:腰椎20° 胸椎25°
これからわかるように腰椎の回旋は5°しか動かない。しかし、腰椎の肢位に屈曲や側屈要素が加わると回旋が容易になり過剰な動きを伴うようになる。
例えば胸椎後弯(猫背)では腰椎が屈曲位になり回旋が容易になり腰椎へのストレスが増加し腰痛へとつながる
他にも胸椎の可動域が制限されると腰椎の過剰な運動が要求されてストレスを加えやすくなる
姿勢のパターン
○腰椎前弯ストレスが与える影響
・腸腰筋と脊柱起立筋の過緊張は腰椎前弯を増強し骨盤の過剰な前傾を起こす
・相反抑制の影響で腹筋群、大殿筋の弱化が予測される
・腰椎に伸展ストレスがかかり、椎間関節症、すべり症の原因になる
・胸腰部脊柱起立筋、腸腰筋、梨状筋、ハムストリングスが過緊張になりやすい
・腹筋群、腰仙部脊柱起立筋、殿筋群の筋力低下が生じやすい
○腰椎後弯ストレスが与える影響
・腸腰筋、腰仙部脊柱起立筋の筋力低下により腰椎前弯減少と骨盤の後傾を引き起こす
・腹筋群は過緊張もしくは弱化し、ハムストリングスは過緊張になりやすい
・腰椎に屈曲ストレスがかかり、椎間板障害の原因になる
・胸腰部脊柱起立筋、上部腹筋群、梨状筋、大腿筋膜張筋、ハムストリングスが過緊張になりやすい
・下部腹筋群、腸腰筋、腰仙部脊柱起立筋、大殿筋の筋力低下を生じやすい
○胸椎後弯が腰椎にストレスかける場合
・胸椎特にTh4~Th8の機能障害であり、デスクワークなど長時間の座位保持により胸椎後弯が生じやすい。
・頭部前方位を引き起こしやすい
・胸椎の後弯は肩関節屈曲、外転、外旋を制限し、肩関節インピンジメントの原因となる
・腰椎の前弯が減少し、腰椎に屈曲ストレスが生じ、椎間板障害などの腰痛の原因になる
・肩関節屈曲制限の代償運動として、腰椎の前弯が生じ、腰椎伸展ストレスが生じる
・後頭下筋群、斜角筋、僧帽筋上部、大胸筋、小胸筋の過緊張が生じやすい
・僧帽筋中部、下部、脊柱起立筋、横隔膜、腸腰筋の筋力低下が生じやすい
○股関節機能不全が腰椎にストレスをかける場合
・股関節に可動域制限があると腰椎での代償運動が生じる(股関節屈曲制限の代償として腰椎後弯、股関節伸展制限の代償として腰椎前弯、股関節回旋制限の代償として腰椎回旋など)
・腸腰筋、梨状筋、内転筋群、大腿筋膜張筋、大腿直筋、ハムストリングスの過緊張が生じやすい
・下部腹筋群、腰仙部脊柱起立筋、大殿筋、中殿筋、大腿四頭筋の筋力低下が生じやすいです
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