内側縦アーチの過剰低下はシンスプリントや足底腱膜炎、外脛骨障害などのリスクファクターとなります。
では内側縦アーチが低下しているということはどういった背景(機能低下)があるのかを把握していることが重要です。
以下に解剖学的特徴を記載しますので、扁平足の実態を知ってもらい臨床に役立てていただければ幸いです。
・内側縦アーチによる足部の連鎖
踵骨は外返し
踵骨傾斜角は減少
距骨は底屈位
距踵角は増大
中足部は外転・外返し
前足部は代償的に内返し
つまり、それぞれの関節(距骨下関節、ショパール関節、リスフラン関節)の可動性を評価する意義があります。
・静的支持組織
特に重要なのが足底腱膜、長・短足底靭帯、バネ靭帯
なかでも足底腱膜はアーチ保持に79.5%寄与しています。
長・短足底靭帯は踵骨や立方骨の回旋変位を制限しています。
・動的支持組織
もっとも重要なのが後脛骨筋です。後脛骨筋の停止部は舟状骨粗面、楔状骨、第2・3・4中足骨に停止するため、荷重負荷に対して内側縦アーチ低下を防ぐ機能を持っています。
そして、後脛骨筋の機能には後脛骨筋腱の状態がとても重要です。後脛骨筋腱は内果後方を走行しますが、この部分で走行角度が急激に変化し、平坦化します。この部分は血流が乏しいという特徴もあります。
つまり、この血流の乏しさと急激な角度変化位によりストレスが生じやすく退行変性が生じやすいという特徴があります。
長趾屈筋も足部アーチに保持機能をもっており、歩行時では立脚初期から中期にかけ等尺性収縮によってアーチ保持に関与します。
また、母趾外転筋や短趾屈筋などの内在筋もアーチ保持に関与しています。
・後脛骨筋機能不全による歩行への影響
上記でもの述べたように後脛骨筋の機能は非常に重要です。扁平足の原因としてもっとも多い病態で80%の症例にみられます。
後脛骨筋機能不全が生じていると立脚初期における距骨下関節の外返しに対する作用が機能せず三角靭帯にもストレスが生じ、靭帯の機能不全にもつながります。
また、後足部が外返しになることでアキレス腱の走行が距骨下関節軸の外側に変位し下腿三頭筋の収縮が距骨下関節外返しの作用を産むことになり、扁平足が助長されます。
後脛骨筋機能不全が生じていると立脚後期での距骨下関節の内返しが減少し、足部の剛性が低下します。そのため、下腿三頭筋の底屈モーメントがは前足部まで伝達せず、主に踵骨と距骨に対してしか作用しません。
その結果、ショパール関節の動きが増加することで、踵骨と舟状骨に付着しているバネ靭帯への負荷が増加し、靭帯機能不全が生じ足部アーチの低下につながります。
引用参考文献
足部・足関節理学療法マネジメント 監修 片寄正樹 編集 小林匠 三木貴弘
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